「ちゃんと作らなきゃ」
この言葉、いつも心の中に根を張っていた。
手作りじゃなければならない。
栄養バランスを考えなければならない。
一汁三菜でなければならない。
そうやって“理想の食卓”を追いかけて、
自分で自分を苦しくしていた。
でも、コウケンテツさんが言ってた。
「日本のママたちは、まじめすぎる」
確かにそうかもしれない。
仕事もして、家事もして、子どもも見て、
それでも「手作り」「健康」「笑顔」…って。
どれだけの荷物をひとりで抱えてるんだろう。
料理研究家の人でさえ「しんどい」と言うのなら、
私たちが疲れて当然だよね。
理想の食卓に縛られていた頃は、
家族の「おいしい」の一言も
プレッシャーに感じる日があった。
もっと野菜を増やした方がいいかな?
次は新しいメニューに挑戦しようかな?
…いつのまにか、
「家族のため」じゃなくて「理想のため」に作ってた。
ある日、ふと思った。
“ねばならない”をやめてみたら、どうなるだろう?
冷凍ぎょうざの日もある。
おかずがひと皿だけの日もある。
でも、テーブルを囲んで笑ってる。
それで十分、ちゃんとごはんだ。
手作り=愛情じゃない。
笑って食べられる=愛情。
ごはんって、愛情の証拠じゃなくて、
家族をつなぐ時間なんだと思う。
「ちゃんと作らなきゃ」って思う夜ほど、
心の中でこうつぶやこう。
「ちゃんとしなくても、私はちゃんとしてる。」
今日のごはんがどんな形でも、
それが“今のあなたにできる精一杯”なら、
それでいい。
だってママは、
もう十分がんばってるから。
「ねばならない」を手放したら、
ごはんが、心を満たす時間に変わった。
今日も、あなたの夜が、
少しあたたかくなりますように。
💬 次回予告|Vol.3:「ママ休みデー」は、家族のためになるという真実。
